遮熱材の性能良否判定方法

遮熱材は高純度のアルミニウム製が主流ですが、アルミは酸化被膜が出来るから腐食が進まないとは高環境で使う時の話です。アルマイト処理や塗装或いは防食処理等人口被膜が施されていれば兎も角、表面処理されていないアルミニウムそのままの遮熱材はたちまち腐食が進行し、断熱性能が落ちるばかりか遮熱材自体がボロボロになってしまうことがあります。これを防ぐには、アルミニウムに表面処理をすれば良いのですが、表面処理をすればするほど遮熱性能が大きく低下してしまうという問題があります。

遮熱材ってデリケートな商品です。「酸に弱い、アルカリに弱い、水に弱い、金属との接触に弱い、高温多湿に弱い」

だから、未処理の遮熱材はそのままでは使える所が少ないのです。

遮熱材表面処理技術が最も重要!!

①遮熱材の簡易性能検査:(社内試験)

目的:輻射熱に対する反射率の簡易判定法

結果:遮熱材が熱くならなければOK

遠赤外線ヒーターの前面に遮熱材を置き、熱源の反対側に手を添えて於いた場合、遮熱材に手を触れていられれば輻射熱に対する反射性能が高いものと言えます。熱くなれば、輻射熱を吸収する量が多く遮熱性能が低い事になります。

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②遮熱材の簡易腐食調査:(社内試験)

目的:どんな素材か、現状の遮熱材表面腐食状況調査
結果:白い布が汚れなければ高品質の素材、腐食の進行もない。

遮熱材表面を白い布等で擦ってみると、布が黒くなれば既に腐食が始まっています。湿気の多い環境では、そのままにしていても表面が黒いシミとなり腐食が促進し、断熱性能が大きく低下します。この原因は、再生アルミを使っている可能性が高いと言われています。

 

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③スキマ腐食:(社内試験)

目的:腐食を起こさない素材かどうかの調査
結果:遮熱材の表面に白華や黒化模様の発生が無ければ表面処理良好

丸めた遮熱材に水分を吸収させ、そのまま1週間ほど放置しておきます。白や黒の模様が出来た場合、腐食が進行しています。これは、アルミにとアルミの間に水滴が入ることにより遮熱材間に電気が流れ、スキマ腐食が発生しています。一般には、遮熱材の使い残しが夕立等にあい、水分を含んでしまうことが多く、遮熱材の保管方法にも問題がある場合もあります。現場では、湿気の多いキノコハウスや植物工場等に使用すると、たちまち腐食して遮熱材がボロボロになる場合があります。

 

 

④酸やアルカリ等耐薬品試験:(社内試験)

目的:酸やアルカリ雰囲気に対する耐久性調査
結果:表面に変化が無ければ表面処理が良好

PH4~5の酸性液やPH9~10位の石鹸水等に遮熱材24時間浸しておき、それを自然乾燥させて表面の変化を目視或いは顕微鏡にて観察する。遮熱材は、酸やアルカリに非常に弱い素材ですので、表面に何の処理をしていないものは腐食しやすく遮熱材としての性能を損ないます。海の近い所での使用、コンクリートに接触しての使用、プール室内、畜舎等農業用設備等の環境では未処理の遮熱材使用は避けるべきです。

 

 

⑤遮熱材表面を電気テスターで通電テスト:(社内試験)

目的:遮熱材表面の電食処理の状況調査
結果:遮熱材表面に電気が流れなければ良好

遮熱材と異種金属が接触して使用すると腐食が起こります。遮熱材に使用している反射素材の殆どはアルミニウムで、鉄やステンレス等異種金属等と接触して使用すると基材もろともボロボロになって遮熱材としての性能を失います。これを、電食と言います。これを防止するには、遮熱材の表面に電気が流れない処理を施す必要があります。電気テスターで遮熱材の表面の通電テストをした場合、電流が流れなければ金属と接触しても電食を起こしません。

 

⑥高温多湿の環境における腐食試験:(社内試験)

目的:高温多湿の環境で腐食調査
結果:遮熱材表面に黒色の腐食が発生しなければ良好

遮熱材で作製したおひつ等容器に沸騰した鍋を入れ密封、即ち高温多湿の環境における腐食状況を調べる。表面処理がしていないと、やがて遮熱材の表面が黒色に変化、遮熱材が腐食しているのが解ります。

 

⑦水の浸透試験:(社内試験)

目的:屋外で使用する場合、小口からの水の吸収が無いかの調査
結果:マイナス20℃の冷蔵庫で膨れが発生しなければ良好

遮熱材を屋外で使用する場合、遮熱材の小口から水が浸透、特に寒冷地では水が凍結し遮熱材が剥離する事が懸念されます。そこで、屋外用遮熱材を一週間水に浸し、その後マイナス20℃の冷凍庫に入れて表面の膨れや破損状況を調査します。屋外で使用する場合は、必須の試験です。

 

⑧耐熱試験:ヒーターによる昇温試験:(社内試験)

目的:遮熱材を熱源に直貼りした場合の耐久性
結果:一定時間後、遮熱材に変化が無ければ良い。

遮熱材を高温度の熱源に密着して使用すると、伝導熱の影響で遮熱材に変色や剥離等が発生し、遮熱性能が大幅に低下する事や場合によっては破損する事もあります。銅製の加熱ブロックに遮熱材を直に巻き付け、徐々に加温しながら目的温度まで昇温し約12時間加熱そのままの状況で保温した場合の遮熱材の変化を検証する。

 

⑨遮熱材の反射率:(社内試験)

目的:放射率測定器にて放射率測定
結果:数値が小さければ反射率が高い。

遮熱材は反射率が高い程、輻射熱に対しては高性能と言えます。放射率測定器にて放射率を計測、放射率が2%であれば反射率は98%となります。しかし、反射率はあくまで輻射熱のみに対する性能で、断熱性能の判断は後述の熱貫流抵抗で評価する事が正しいと言えます。

 

⑩結露試験:(公的試験)

目的:遮熱材を屋根材に直貼りした場合の結露の状況調査
結果:指定の気温、室温、湿度環境で表面結露の発生が無ければ可

JIS A1514 建具の結露防止性能試験方法に準拠
寒冷地に於ける屋根材等の結露の有無を調べる。
大きな部屋の中央の仕切り壁に試験体取付枠を設け、枠に鉛直に金属角波板にトップヒートバリアーを直貼りした部材構成の試験体を設置した。屋内側の温度を20℃湿度は50%とし、屋外側の温度を徐々に低下させて行った。この時の、遮熱材表面の結露状況を調べる。

厚み5mmなら、屋外温度が-15℃で一部曇り程度

⑪防水性試験:(公的試験)

目的:遮熱材が完全に湿気を透さないかの調査
結果:JIS A6111防水性試験で100%なら可

遮熱材は壁面等の間に入れて使用する事が多くありますが、遮熱材を湿気が透過できるという事は断熱性能を大幅に低下するという事です。
JIS A6111透湿防水シートに準じた防水試験B法(高水圧法)で試験を行った。耐水試験装置の測定限界値(100kPa)に達した時点で、漏水は認められなかった。

 

⑫不燃性能試験:(公的試験)

目的:遮熱材が不燃認定合格性能を有するかの調査
結果:国土交通省不燃認定試験が合格

防火地域の建物では、国土交通省に不燃認定試験に合格したものでないと使用できない場合があります。試験は、国土交通大臣の認可を受けた機関が、性能評価業務規程に基づいて審査した結果、性能評価業務方法書の評価基準に適合している事が必要です。

トップヒートバリアーTHB-FXは、不燃認定商品です。

⑬屋外暴露試験(スーパーキセノンウエザーメーター):(公的試験)

目的:遮熱材を屋外で使用した場合の耐久性能調査
結果:表面劣化が少なければ可

屋外で1年分に相当する太陽光に極めて近似した光や熱或いは水を遮熱材に照射する事により、遮熱材表面の劣化状況を調べます。屋外用遮熱材は、複数年度にわたってこの試験を実施しています。

トップヒートバリアーX商品は、屋外でも1年間で僅か0.8%の低下。
紫外線等の無い屋内使用なら、半永久の耐久性と言っても過言では無い。

 

⑭顕微鏡による表面劣化調査:(公的試験)

目的:遮熱材の劣化の検証
結果:一定の暴露試験終了後、表面の変化が少なければ良好

遮熱材に劣化等が進行すると表面に変化が現れます。
以下の写真は、前記1年間の暴露試験後の遮熱材を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製 JSM-5410LV)にて検査したものです。

トップヒートバリアーX商品の劣化は非常に少ない。

 

⑮熱貫流抵抗試験:(公的試験)

目的:遮熱材を壁内等に入れたときの断熱性能調査
結果:数値が大きければ性能が高い。

遮熱材は、壁面や天井裏等外装材や内装材等の間に入れて使用する事が多くあります。しかも、遮熱材を壁面内で使用する場合、輻射熱だけでなく対流熱或いは伝導熱の影響も受けます。そこで、実際の建物等に使用する構造体を作製し、現実に近い状態で熱をその構造体に供給する事により断熱性能を測定する事がより正しい評価と言えます。実際の試験は、JISの基準で定められた以下の様な試験装置で測定します。JIS A4710(建具の断熱性試験方法)に準ずる
大きな恒温室と低温室の間に、外壁材と内壁材の間に遮熱材を入れた仕切り壁を設置し、恒温側から熱を供給し低温側にどの程度の熱移動があるか、即ち断熱性能を調べます。抵抗値なので数値が大きい程性能が高いと言えます。